学習塾の種類やポイント

学習塾の種類・内容について、噂では何となく知っているけど、具体的にはよくわからない、という声をよくお聞きします。

ここでは、各種の学習塾の手法について、客観的な状況をお伝えいたします。

  • 集団授業
  • 個別指導
  • 映像授業(自宅学習型)
  • 映像授業(通塾型)

の4つを例に説明いたします。
主要な学習塾の形態や実施方法にはどのようなものがあるか、どういうやり方が合うか、ご参照ください。

 集団授業

長所・メリット

  • 周りに生徒がいるので、切磋琢磨できる。
  • 自分だけサボるわけにはいかないので、一人でやっているよりも頑張れる。
  • 友達と一緒に通うことができる
  • クラスのレベルが自分に合っていれば、学習意欲が沸く。
  • 教師側も、情報を一括して伝達できるので、伝達漏れが少ない。

短所・デメリット

  • 生徒状況を確認しにくい。
  • 聞き逃した場合には、取り返しがつかない。
  • レベルが合っていないと、落ちこぼれや浮きこぼれが出る。
  • 教科ごとにクラスを変えられないので、得意不得意の理解度の差が出てしまう。
  • 休んだ場合は補習がしにくく、授業が先に進んでしまう。
  • 補習のために、動画が自宅でみられる塾もあるが、生徒が自宅で自分から見ることは…、まずない。
  • 2つ以上の学校から通塾していると、テスト対策の範囲・日程が合わない。
    対策授業が始まるのが早過ぎたり、テストが終わっても、まだ終わっていない中学のために時間調整をさせられたりすることがある。
  • 塾によって、また教師によっては、授業開始トークにかなりの時間を割くケースがある。

学校と同様のイメージを持ってもらうとわかりやすいですね。
以前はほとんどの学習塾がこの形態でした。

1クラスの人数は3~50名程度と、塾によっても様々です。
制限人数は、その塾の方針や教室のキャパシティ、その塾の教師数、通塾している生徒の人数や能力のばらつきによっても変わってきます。
つまりは、『能力別に細かくクラスを分けたい』と考えていても、教師の数が足りなければ実現できません。

「昨年は3つに分けられたけど、今年は教師の数が足りないので分けられない」というケースや、「今年は理系教師が少ないので、数校舎を掛け持ちしており、クラスが作れない」というケースもよくあります。
会社として、力を入れている地域・校舎であるかによっても状況が変わってきます。
校舎の教師を固定できない塾の要因も、ここにあります。

所属クラスは総合成績で決められますので、教科ごとにクラスを変えることはできません。
個々の生徒の得意不得意を反映することができませんので、教科によって伸び具合が異なってしまうこともあります。

また、生徒を授業に集中させるために、教師には授業前のトークを重要視する塾もあります。
大手の塾によく見られますが、このトークで「友人を塾に連れてくる重要性」を説き、友人紹介に力を入れるケースや、「他塾口撃」などに力を入れるケースもあります。
このトークの時間に、授業時間の多くを割いてしまうこともしばしばです。

また、保護者様にとってみると、『1クラスの人数は、少ないほうがより細かく見てもらえるから、少なければ少ないほうがいい』と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは必ずしも正しいとは言い切れません。

生徒数が少な過ぎれば、盛り上がりに欠けてしまうこともあり、生徒のやる気が出てこないこともありますし、教師の能力によっては、「5名でも30名でも50名でもやることは変わらないので支障がない」という場合もあります。

 

 個別指導

個別指導にも色々な形態があります。
大きく分けると2つに分かれます。

純個別指導

教師:生徒が【1:1】【1:2】~【1:6】程度くらいまでのもの。
教師主導で生徒に知識伝達をしていく形態。

巡回型個別指導

教師:生徒が【1:10】や【1:15】で、教師は巡回してわからないところを対応していく形態。
教師主導ではなく、主には生徒主導となる。

長所・メリット

  • 個々の学力状況に合わせやすい。
    比較的、勉強が苦手な生徒に合わせやすい。
  • 曜日・時間帯を選択することができる。
  • 欠席しても、振替ができる。
  • 若い教師が多いため、生徒にとっては年齢が近いので取っつきやすい。

短所・デメリット

  • 授業料が高額になる傾向がみられる。
  • 教師のほとんどがアルバイトの学生のため、わかりやすい教師とわかりにくい教師が大きく分かれる。
  • 教師との対話型になるため、教室内が騒がしくなる。
  • 教師が正社員ではないため、研修に時間をとることが難しい。
    また、校舎責任者に生徒指導経験がないケースがみられるため、そもそも研修できない場合がある。
  • 教師への好き嫌いが、学力にも大きく影響する。
  • 教師の確保が難しいことで、希望の曜日・時間帯を選べないことがある。
  • 理社は指導が難しく、教師が揃えにくいため、理社の指導がない場合がある。

集団授業に比べて、対応する生徒数が少ないことが特徴ですが、それだけ人件費はかかることから、授業料は高額になる傾向があります。

また、教師の能力(知識だけでなくコミュニケーション能力も)が如実に影響するため、好き嫌いが激しくなる傾向もあり、マッチングが難しいこともあります。

最近では、少子化に伴い学生の数も減っているため、教師の頭数を確保することが困難になっている状況があります。
特に、学生の大学の試験シーズンには、テスト勉強で授業に出られないため、授業の維持が苦しくなります。

「担当している生徒のためには、テスト勉強だからって休ませない」と、出勤を強要させることで、最近ではブラックバイトとして問題になります。
これにより、教師を固定することは難しいという現状もあります。

このような現状があることからも、ここ最近、映像授業を取り入れている個別指導塾もだいぶ増えてきました。

  • 5教科すべてを個別指導にすると相当な高額になることから、理社は映像授業にしてコストダウンを図るため。
  • 理社は、英数に比べて手間がかかることと教師側の得意不得意が大きく分かれることから、個別指導が難しいため。
  • 教師の確保が困難で、時間帯を問わない映像授業で補てんするため。

ということが主な要因です。

また、個別指導の場合は、実際に生徒に教え、主に対応するのは学生ですから、責任者が表にあまり出る必要がありません。

学生が確保できれば授業を回すことができることから、フランチャイズ店舗として開校しているケースがよくあります。

これは、本部のノウハウが提供され、それに沿って校舎運営がなされる手法です。
責任者(オーナー)に生徒指導経験がなくても、また正社員でなくても開校することができ、責任者は経営に専念することができます。

塾業界のフランチャイズは、個別指導塾がほとんどです。

一概に悪いわけではありませんが、責任者に生徒指導経験がないと、教師に対して研修を行うことができません。
指導スキルが上がらないため、その学生の能力のみにかかってしまい、生徒の満足度を上げにくいということもよくあります。

 

映像授業(自宅学習型)

最近、CMでもおなじみになりましたが、パソコンやタブレット、スマホ等を使って、自宅で受講できるタイプです。
人とも関わらず、自由に受講できる手軽さが特徴です。

長所・メリット

  • 通塾時間ゼロで、好きな時間にどこでも受講できる。
  • 受講料が、他の形式に比べて安い。
  • 受講単元を選べる。
  • わかりやすい授業を受けることができる。
  • 巻き戻し、早送り、一旦停止、倍速ができるので、自分のペースで受講することができる。

短所・デメリット

  • 自己管理が必要なため、サボれてしまう。
  • テキストがない場合、ただ聞いているだけになってしまう。
  • 一人で受講することで、周りとの切磋琢磨はない。
  • 質問することができない、または手間がかかるのでリアルタイムに対応できない。
  • スタッフが少ないため、受験情報や学習相談はほぼできない。
  • 教科書の進度に合わせたカリキュラムは組めない(中学生の英語等)。
  • 地域状況に合わせることができない。

最近では、私立中学・高校でも補習用として導入され、学校や自宅での視聴ができるようになっています。
受講料が安価な理由は、

  • 授業撮影や事務以外に人件費がかからないため。
  • 企業から広告料を取っているため。

です。

みなさんもお気づきだと思いますが、問題点はやはり、「自宅で、子供がほんとに視聴できるのか?」ということです。

時間や場所に縛られないため、自己管理ができて、自分からどんどん学習できる自立型の生徒さんには向いていると思います。
高校生は自分の意志で申し込むため、必要性に駆られていますから、受講するモチベーションは少なからずあります。

しかし小中学生は、自分の意志からというよりかは、
「みんな塾に行っているから、なんかやらなきゃいけないけど、部活も忙しいから塾に行くのは大変。なんかお手軽なものはないか」
という、あまり高くないモチベーションで手軽に申し込むことが多くあります。

最初は興味が沸いて視聴しますが、次第に「いつでも受講できる手軽さ」が災いし、受講しなくなる傾向にあります。

特に中学生は、年頃もあって保護者もあまり管理できないことから、「最近視聴されていませんが、頑張りましょう」なんていうフォローの連絡が来たりすると、初めて「そんなに見てないの?」と気づき、退会することもよくあります。

集団授業の塾で、欠席補習や復習促進のために授業動画がある塾もありますが、よほど本人の意識が高いか、教師が強制しない限り、なかなか視聴しないのが現状です。

塾に通っているのと同じく、決まった曜日の決まった時間に受講し、保護者にもかなりの管理をしていただくことができるのなら、有効かと思います。

 

映像授業(通塾型)

自宅学習型から発展した、通塾タイプの映像授業受講の形式です。
高校生の受講形態としては、かなり浸透してきました。

長所・メリット

  • わかりやすい教師の授業を受講できる。
  • 通塾曜日・時間帯が選べる。
    ブースが空いていれば受講できるので、振替もしやすく、個別指導よりも受講日程の自由性が高い。
  • 巻き戻し、早送り、一旦停止、倍速ができるので、自分のペースで受講することができる。
  • 教科ごと、自分に合ったレベルの授業を受講できる。

短所・デメリット

  • 教師からすると、生徒が理解して視聴しているのか、ぼーっとしているのかを見極めることが難しい。
  • 自分のペースで受講できるが、受講ペースが遅いと、1コマの時間内に終わらせることができない。
  • テスト勉強までにカリキュラムが足りない場合、間に合わせるために追加料金がかかることがある。
  • 教師と、あいさつ程度で会話がほぼないまま帰宅する、ということもある。
  • 社員(校舎責任者)が一人で、あとは質問対応の学生等のアルバイトで運営しているため、校舎責任者のカラーが如実に校舎の雰囲気に出てしまう。

高校生の受講形態としては、だいぶ定着してきました。
小中学生は、個別指導塾が映像授業をだいぶ導入してきましたが、メインサービスとして実施している学習塾は限られます。
ただ、前述のとおり、少子化の影響で教師の確保が困難になっているため、今後は普及してくることも想定されています。

しかしながら、小中学生にはどうしても「映像授業でちゃんと理解できるのか?」という疑問が付いて回ります。

映像授業には、各学習塾・予備校においてトップレベルの教師が出演していますから、理解できるかという疑問には問題はないと思います。
聞き逃しても巻き戻しができますし、黒板の内容を書き写すのに一時停止ができますから、利便性も高いです。
教科ごとにレベルを変えられますから、集団授業の欠点を補うことができます。

あとは、生徒のモチベーションと教師側の管理のバランスです。

一人ひとりブースに分かれて受講しているため、表情を伺いにくく、理解しながら聞いているかどうかわかりにくいということがあります。

また、生徒一人で受講スタートから終了まで完了することが可能なため、校舎担当が手をかけなくても授業は成り立ちます。

よって、教師の関わり方やコミュニケーションの取り方次第で、生徒の伸びが大きく変わってきます。

ぼーっと画面を眺めているが、「授業聞いてるか?」って聞くと、「聞いてるよ」と答える。
また、たいがいの生徒は、教師が「質問ない?」って聞いても「ない」って返答してしまう。
授業中の表情が見にくい分、理解度の見極めが難しいのです。

また、質問対応の教師はアルバイトが多く、大学生がほとんどです。
個別指導と同様に教師の確保が難しいため、質問対応ができないときもあります。

また、個別指導とは異なり、直接授業で教える必要はないため、個別指導ほどの技術は要求されないことから、教師のスキルは個別指導と比較すると低いことがあります。

 

最後に

どの指導形態であっても、一長一短はあります。

もちろん、上記の内容がカバーできている塾もありますので、実際に受講して確認することが必要です。
また、大手の塾の場合は校舎担当者が変わることがありますが、これにより校舎内の雰囲気やサービスの度合いも大きく変わってきます。

つまりは、校舎担当者によって、サービスの精度が変わってくるということです。
どれくらいで校舎担当が変わっているのか、その教師自身がどのくらいで担当を変わってきたのかも確認してみてもよいと思います。

ただし、安易に塾を変えることは、必ずしもいいこととは限りません。
もちろん、お金がかかっていますから、「成果が出ないことに無駄なお金をかけられない」ということもよくわかります。

  • その塾のサービスはしっかり受けることができたのか。
  • サービス内容の意図は理解できていたのか。
  • 子ども自身は、積極的に受講していたのか。

等を考えてみてください。

目先の、表面上のことのみをとらえ、保護者様または生徒さんの感情で判断し、安易に塾を変えても、同じようなことが巻き起こる可能性があります。
私も経験上、よく見てきました。

それでも塾を変えたほうが効果的である、と判断できるということであれば、よい思います。

塾はたくさんあります。
手法もいろいろ考えられるようになってきました。
選択肢がたくさんある分、大いに悩まれると思います。

塾の教師はお子様の将来を変えることができる、と私は思います。
そのような塾に巡り合えることを、心から願っております。

公開日:
最終更新日:2017/09/02