意見練習:高校の義務教育化について

毎週日曜日の『OPINION TRAINING(意見練習)』、本日は『高校は義務教育とし、中学と同様、公立高校は入試制度を廃止すべきである。賛成か、反対か。」でした。
公立入試に向けて、追い込みを頑張っている生徒には酷かもしれません。
ただ、今一度『何のために高校へ行くのか』『なんのために頑張っているのか』を再確認してもらいたいと思い、このお題にしてみました。
さて、生徒たちの意見です。
賛成意見は
- 義務教育になるから勉強するので、就職率が上がる。
- 受験勉強はキツイ。
- 国民の学力が上がる。
- 小中高一貫になるので区切りがなくなるから、もっと多くのことを勉強できる。
- 経済的に貧しい家庭の子でも高校に行ける。
- 転校が容易になる。
などの意見がありました。
勉強内容が多くなるメリットがよく出てきました。
反対意見(開催すべき)は、
- 高校に行きたくない人や精神的に通えない人も、無理やり通うことになる。
- 高校の独自性がなくなる。
- 同じ目標を持つ人たちと出会えなくなる。
- 受験がなくなることで学力低下につながる。
- 勉強したくない人がさせられるので、勉強の質が落ちる。
- 楽してなんとなく生きる人が増える。
など、高校に行かない選択の自由や、勉強レベルのギャップから学力向上が図れない不安等が出てきました。
自分の高校入試に対しての再認識を図ってくれたと思います。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
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※当校の『OpinionTraining(意見練習)』とは
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週日曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
- 会の結論として、賛成か反対かは決めない。
- 賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
- 挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
- 私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。