意見練習:死刑制度廃止について

毎週日曜日の『OPINION TRAINING(意見練習)』、本日は『死刑制度は廃止すべきである。賛成か、反対か。」でした。
中3は社会で公民分野に入り、学校でも人権を扱うようになりましたので、関心が高い問題です。
さて、生徒たちの意見です。
賛成意見は、
- 裁判に誤りがあった場合は、取り返しがつかない。
- 残酷で、人道上許されない。
- 2008年の死刑執行国数が30か国で、2019年は20か国。
世界的にも減少傾向にある。 - 執行する人や世話をしていた人のメンタルを考えると、よくない。
- 廃止した国に、凶悪犯罪が増加したデータはない。
など、世界的な傾向や人道上の理由が多かったです。
反対意見は、
- 犯罪抑止力になる。
- 被害者やその家族が納得いかない。
- 終身刑は税金が余計にかかる。
- 廃止すべきが9.7%、やむを得ないが80.3%と、世論も反対意見が多い。
- 遺族の応報感情を満たすことができる。
など、やはり感情的な理由が多かったですね。
- 外患誘致罪(外国と通謀して日本国に武力を行使させ、または外国からの武力の行使に加担するなど軍事上の利益を与える犯罪)には死刑しかなく、代替案の問題がある。
という意見もありました。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
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※当校の『OpinionTraining(意見練習)』とは
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週日曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
- 会の結論として、賛成か反対かは決めない。
- 賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
- 挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
- 私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。